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FMの帯域幅(Carson's rule)


以下はNASAの資料の劣化コピーです。本家のAppendix B.2.1付近を読んでください。

まず、FMの信号s(t)について、信号波が単一の正弦波である場合、

と表わせる。この時ω_cは搬送波角周波数, ω_mは信号波の角周波数, βは変調指数。
変調指数は信号波周波数f_mと最大周波数偏移Δfを使って
β = Δf / f_mと書ける。

これをベッセル関数で書き直すと、

で、ω_c+n ω_mの位置に離散的に周波数成分が生じることがわかる。
(例えば100MHz±75kHzを15kHzの単一正弦波で振動させると、100MHzから15kHzごとに周波数成分が出る。)従って、瞬時周波数の変動幅が直接帯域幅となるわけではない。

ここで、ベッセル関数の性質と計算から、|n|<=β+1程度までの側波帯を考慮すると全電力の98%を多くの場合でカバーできるため、この範囲での近似でFMの帯域幅を見積もることが多いらしい。(ベッセル関数ではnがβよりも十分大きくなると急速に値が小さくなるということから)
これのもとで、帯域幅Bは
B ≈ 2(β+1)f_m
= 2(Δf+f_m)
と近似でき、これがCarson’s ruleと呼ばれている。(Carsonの本に書かれていたからなのか、後から名付けられただけなのかはよくわからない)

なお、一般の信号波(最高変調周波数:W)についてのCarson’s rule
B ≈ 2(Δf+W)
は、厳密に適用できるわけではないが、経験的にそれなりに使用できるらしい。ただ、現実だと少し甘い近似になる場合があり、その際はB=2(Δf+2W)とするなど、Carson’s rule以外にいろいろな近似が用いられるようである。